NVIDIAが開発中の新技術「RTX Neural Texture Compression(NTC)」が話題になっています。なんと、VRAMの使用量を最大96%も削減できるとか!これが実用化されたら、高精細なグラフィックが今よりもっと軽く動くようになるかもしれません。
でも、そんなうまい話にはやっぱり落とし穴もあるんです…。実際のテストでは、フレームレート(FPS)が少し下がることも確認されていて、「本当にメリットばかりなの?」と気になるところ。
とはいえ、まだベータ版の技術。将来的には、もっと効率的な圧縮が可能になるかもしれません。果たして、この技術はゲームの未来をどう変えるのでしょうか?
驚異の圧縮率!RTX NTCってどんな技術?
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NVIDIAが開発した「RTX Neural Texture Compression(NTC)」は、ゲームのテクスチャデータを超効率的に圧縮する新技術です。従来の圧縮技術と比べて、なんと最大96%もVRAM使用量を削減できるとか。まるで圧縮の魔法みたいですよね。
仕組みをざっくり説明すると、NTCはAI(ニューラルネットワーク)を活用して、テクスチャのデータサイズをギリギリまで小さくします。通常のテクスチャ圧縮では、データの一部が削られて画質が落ちることがあるのですが、NTCなら超高精細なまま、データを軽量化できるのがポイントです。つまり、「見た目はそのまま、容量は大幅カット!」という夢のような技術なんですね。
実際のテストでは、RTX 4090を使って1440pと4K解像度で検証されました。1440p環境では、通常の圧縮だと272MBのテクスチャデータが必要でしたが、NTCを使うと98MBまで減少。「NTC inference on sample」という特殊なモードを使えば、なんと11.37MBまで削減されるという驚異の結果が出ました。
この技術が本格導入されれば、今よりもはるかにリッチなグラフィックを持つゲームが、少ないVRAMでスムーズに動くようになるかもしれません。ゲーミングPCのVRAM不足に悩んでいた人にとっては、まさに救世主のような技術ですね。
「でも性能は?」ちょっと気になるデメリット
ここまで聞くと「すごい!今すぐ使いたい!」と思うかもしれませんが、残念ながら完璧な技術ではありません。NTCには、性能面でいくつかのトレードオフがあるんです。
最大の問題は、NTCを使うことでフレームレート(FPS)が多少落ちてしまうこと。テストによると、「NTC transcoded to BCn」というモードではほぼ影響なしでしたが、「NTC inference on sample」を使うとFPSが下がる傾向が見られました。たとえば、通常なら1600FPS出ていた場面が1500FPS台に落ちたり、特に「1%低下FPS」(たまに起こるカクつき)が大きく減少することもあったとか。
ただし、このテストはRTX 4090で行われたもので、今後登場するRTX 5090などの新世代GPUなら、この影響も小さくなる可能性があります。つまり、「今すぐ劇的な変化を期待するのはちょっと早いかも?」というのが現時点での結論ですね。
また、DLSS(AIによる画質向上技術)との相性も気になるポイント。意外なことに、NTCを有効にすると、DLSS使用時のパフォーマンスが低下するケースがあるようです。これは、NTCがGPUの「Tensorコア」という部分をフル活用するため、DLSSとリソースの奪い合いが発生するからでは?とも言われています。
とはいえ、NTCはまだベータ版の技術です。今後の最適化やハードウェアの進化次第で、デメリットがどこまで解消されるかが注目ですね。
未来のゲームが変わる?対応GPUや今後の展望
RTX NTCは、まだ開発中の技術ですが、すでに「将来のゲーム体験を大きく変えるかも?」と期待されています。もし実用化されれば、GPUのVRAM不足問題が大幅に解消され、より高画質なゲームが低スペックなPCでも動くようになるかもしれません。
特に面白いのが、NTCはNVIDIAのRTXシリーズだけでなく、GTX 10シリーズやAMDのRadeon RX 6000シリーズ、さらにはIntelのArc GPUでも動作確認されている点です。「NVIDIAの技術なのに、ライバルのAMDやIntelでも使えるの?」と驚きますが、これはNTCが特定のハードウェアに依存しない設計になっているから。つまり、将来的にはゲーム機やモバイル端末にも広がる可能性があるんです。
とはいえ、現時点では「いつ正式リリースされるのか?」は不明。NVIDIAの公式GitHubには最低動作環境として「RTX 20シリーズ以上」と書かれていますが、一般ユーザーが簡単に使えるようになるまでには、まだ時間がかかりそうです。
今後、NTCがどのように進化するのかは、GPUの性能向上やゲーム開発者の対応次第。もしパフォーマンスの問題が解決されれば、NTCは次世代ゲームの「標準技術」になる可能性も十分あります。VRAMの制約を気にせず、もっと自由に高画質なゲームを楽しめる日が来るのか…ゲーマーとしてはワクワクしますね!
Source:tom’sHARDWARE