AMDの人気CPU「Ryzen 7 9800X3D」に、まさかの故障トラブルが続出中です。特にASRockのマザーボードでの不具合が多発しているとのことで、PCユーザーの間では「本当に大丈夫なの?」と不安の声が広がっています。

原因はまだはっきりしていませんが、BIOSの不具合や電圧調整の問題が関係している可能性も指摘されています。AMDもこの状況を把握しているようですが、正式な対策はこれからのようです。

せっかくの高性能CPU、安心して使いたいですよね。今のところ、BIOSの最新アップデートを適用することが対策のひとつとされていますが、果たしてこれで問題は解決するのでしょうか?

何が起きてる?Ryzen 7 9800X3Dの故障報告が急増中

AMDの最新CPU「Ryzen 7 9800X3D」が、発売直後からユーザーの間で不安の的になっています。というのも、「電源を入れても動かない」「突然PCが落ちる」「ブルースクリーン連発」といった報告が相次いでいるからです。せっかく高性能CPUを手に入れたのに、動かなかったら意味がありませんよね。

特に目立つのが「死産CPU」――つまり、箱から出した時点ですでに故障しているケースです。これがいわゆる「DOA(Dead on Arrival)」というやつで、購入者からは「新品なのにジャンク品」と嘆く声も。さらに、使い始めて数日~数週間で突然死する例も報告されており、「このCPU、本当に大丈夫?」と不安になるのも無理はありません。

これらの問題は海外のPCユーザーたちの間でも話題になっており、特にRedditなどのフォーラムでは同様の報告が次々と寄せられています。もはや「たまたま運が悪かった」では済まされないレベルです。

とはいえ、すべてのRyzen 7 9800X3Dが壊れているわけではありません。問題なく動作している個体も多数あるため、単なるロット不良なのか、それとも根本的な設計ミスがあるのか、今後の調査が待たれるところです。

それにしても、新しいCPUを買ったら普通はワクワクしながらセットアップするものですが、今回ばかりは「ちゃんと動くかドキドキする」というユーザーが続出。Ryzenシリーズはこれまで信頼性の高いCPUとして評価されてきましたが、今回の件でそのイメージに傷がつかないことを願いたいですね。

ASRockマザーボードが要注意?不具合の原因を探る

今回のRyzen 7 9800X3D問題で、ひときわ目立っているのがASRock製のマザーボードです。報告された故障の多くが、ASRock製のボードと組み合わせたPCで発生しているとのことで、「ASRockとの相性が悪いのでは?」という声が上がっています。

具体的な症状としては、「BIOS画面すら表示されない」「突然シャットダウンする」「負荷をかけると落ちる」といったものが多いようです。中には、「ASRockのマザーボードで動かなかったけど、別メーカーのものに変えたら普通に動いた」という報告もあり、ASRock側の設計に何かしら問題がある可能性も否定できません。

考えられる原因のひとつとして、「BIOSの不具合」が挙げられています。最新のRyzen 7 9800X3Dは、Zen 5アーキテクチャを採用しており、従来のBIOSでは対応しきれていない可能性があるのです。実際、ASRockはすでにBIOSのアップデートを発表しており、新しいバージョンでは安定性が改善されたとのこと。ただし、これですべての不具合が解消されるのかはまだ不透明です。

また、一部のユーザーは「電圧の管理がうまくいっていないのでは?」とも指摘しています。CPUに供給される電力が適切でないと、動作が不安定になったり、最悪の場合は壊れてしまったりすることもあります。特に高性能なCPUは、ちょっとした電圧の違いで挙動が変わることがあるため、このあたりの調整がうまくいっていない可能性もありそうです。

いずれにせよ、ASRockのマザーボードを使っている人は、最新のBIOSにアップデートすることを強くおすすめします。それでも問題が解決しない場合は、思い切って別のメーカーのマザーボードに乗り換えるのも手かもしれません。

どうすればいい?対策と今後の見通し

「じゃあ、どうすればいいの?」と悩んでいる人も多いはず。とりあえず、今すぐできる対策として、以下の点をチェックしてみましょう。
1. BIOSを最新バージョンに更新する
ASRock製マザーボードを使っているなら、公式サイトで最新のBIOSをダウンロードし、アップデートを試してみてください。これで動作が安定する可能性があります。
2. CPUの温度を確認する
Ryzen 7 9800X3Dは高性能な分、発熱もそれなりにあります。CPUの温度が異常に高くなっていないか、モニタリングソフトでチェックしてみましょう。もし高温が続くようなら、クーラーの取り付けを見直すのもアリです。
3. 電源ユニットを確認する
意外と見落としがちなのが電源ユニット。必要な電力を供給できていないと、動作が不安定になることがあります。ワット数に余裕があるか、電源の品質は問題ないかチェックしてみましょう。

それでもダメなら、最終手段として「返品・交換」も視野に入れておくべきです。AMDは今回の不具合を認識しているようなので、正規ルートで購入したものであれば、保証期間内であれば交換対応してもらえる可能性があります。

そして今後の見通しですが、AMDが正式に問題を認め、根本的な解決策を提示するかどうかが鍵になりそうです。BIOSのアップデートで解決できるならまだマシですが、もしハードウェアレベルの欠陥だった場合、大きな騒動に発展する可能性もあります。

とはいえ、すでにRyzen 7 9800X3Dを購入してしまった人は、あまり気を落とさず、できる対策をしっかりと講じてみてください。AMDの対応次第では、リコールや追加の対策が発表されるかもしれません。

高性能なCPUは魅力的ですが、安定して動いてこそ価値があります。AMDには一刻も早く、ユーザーが安心して使える環境を整えてほしいですね。

Source:TechnoSports