「Windows Server Update Services(WSUS)」という言葉、聞いたことはありますか?企業のIT管理者ならお馴染みかもしれませんが、一般的にはあまり知られていないツールです。そんなWSUSが、ついに終わりを迎える時が来たんです!
マイクロソフトは、クラウドへの移行を強く推進しており、その一環としてWSUSの新しい機能追加をやめることを発表しました。既存の機能はしばらく維持されるものの、未来を見据えるとクラウドへの移行が避けられない流れのようです。
WSUSって何?初心者向け解説
「WSUS」とは、「Windows Server Update Services」の略で、2005年に登場して以来、企業のIT部門で広く使われてきたツールです。名前を聞いただけだと、ちょっと難しそうですよね。でも、実は役割はとてもシンプルで、企業内のコンピュータが最新のソフトウェアやセキュリティパッチを簡単に管理・配布できるようにするためのものなんです。
通常、個々のパソコンはインターネット経由で自分自身でアップデートを取りに行きますよね?でも、企業のネットワーク内に何百台もパソコンがあったら、それぞれが勝手にアップデートを取るのは大変だし、管理が複雑になります。そこでWSUSが登場します。WSUSを使うと、企業内のサーバーが一度にまとめてアップデートをダウンロードし、それを各パソコンに配布できるんです。これで管理者は、全体を一括でコントロールできるようになるわけです。
さらに、企業によっては「インターネットに直接つながっていない」特殊なネットワークを使っているところもあります。そういう場合でも、WSUSは使えるんです。オフラインでも使えるので、アップデートを一度ダウンロードしておけば、インターネットに接続していない場所でも更新作業ができるという便利なツールなんですよ。
でも、残念ながらそんなWSUSも、時代の流れには逆らえません。マイクロソフトが今後新機能を追加しないと発表したことで、WSUSの役割も少しずつ終わりに近づいているんです。
なぜWSUSが終了するのか?その背景に迫る
「え、なんで急にWSUSが終わっちゃうの?」と思いますよね。その理由は、マイクロソフトのクラウド戦略に大きく関係しています。今までは、企業が自前でサーバーを持って、そこに必要なアップデートをまとめて管理するのが普通でした。でも、ここ数年でクラウドサービスが急成長し、管理がもっと楽になるサービスがどんどん登場しています。
マイクロソフトも、この流れに乗って「Windows Autopatch」や「Microsoft Intune」、そして「Azure Update Manager」など、クラウドベースのツールを次々と展開しています。これらの新しいツールを使えば、物理的なサーバーを持つ必要がなく、すべてオンラインで管理できるんです。つまり、サーバーの管理にかかるコストや手間が大幅に減り、どこからでも管理できるというメリットがあります。
また、企業によっては、クラウドを活用することでセキュリティの向上や効率化が期待できる場面も多いです。マイクロソフトはこのクラウド戦略をさらに強化するため、WSUSのような古いツールにはもう新しい機能を追加しないことを決めたんですね。
もちろん、WSUSがすぐに使えなくなるわけではありません。現時点では、機能が停止するわけではなく、今後も使い続けることはできますが、新しい機能が追加されないということは、いずれ使い勝手が悪くなってしまう可能性も高いです。つまり、企業にとっては、いずれクラウドへの移行を考える時期が来るということですね。
次の一手はクラウドへ?マイクロソフトの新しい方向性
「クラウドって聞いたことあるけど、正直よく分からない…」という人もいるかもしれませんが、心配しないでください。クラウドとは、インターネットを介してデータやアプリケーションを管理・保存する技術のことです。これまでは物理的なサーバーやパソコンにデータを保存していましたが、クラウドを使えば、オンラインでどこからでもアクセスできるという便利さがあります。
では、具体的にクラウドを使ったアップデート管理ってどんな感じかというと、例えば「Windows Autopatch」というツールを使えば、アップデートの管理が自動化され、IT管理者の手を煩わせることなく最新の状態に保てるんです。また、「Microsoft Intune」を使えば、モバイルデバイスの管理も一元化でき、スマホやタブレットも簡単にアップデート可能になります。
さらに、「Azure Update Manager」では、サーバーの更新もクラウド上で行えるため、わざわざ物理的なサーバールームに行く必要もなくなります。これらのツールを組み合わせれば、企業全体のシステムを効率的に管理できるというわけです。
もちろん、クラウドを使うためにはインターネット接続が必要ですが、それが可能な環境では管理が非常に楽になります。逆に、ネットワークが厳重に管理されている企業や、インターネット接続が限られている場所では、クラウドへの移行が難しい場合もあるかもしれません。
とはいえ、マイクロソフトの「クラウドファースト」という方針はどんどん進んでいます。WSUSを使い続けるか、新しいクラウドツールに切り替えるか、今は企業にとって選択の時期かもしれませんね。