Ryzen 7 9800X3Dの焼損問題がまた発生しました。これで3件目ですが、今回はMSIではなくASRockのマザーボードで起きたのがポイント。

投稿者によると、3週間普通に動いていたのに突然ダメになったそうです。CPUのピンは焼け焦げ、マザーボードのソケットも無残な姿に…。

原因は何なのでしょう?ホコリや異物の混入、曲がったピン、あるいはEXPO設定の影響も考えられます。もしRyzen 7 9800X3Dを検討しているなら、ちょっと気をつけた方がいいかもしれません。

まさかの3件目!今度はASRock製マザーボードで発生

Ryzen 7 9800X3Dの焼損報告が、またまた登場しました。これでなんと3件目。前回まではMSIのX870マザーボードでの発生でしたが、今回はASRockのNova X870Eマザーボードで起きたとのことです。マザーボードのメーカーが違うということは、「特定のメーカーの問題ではない可能性」が高まったということになりますね。

投稿者のu/t0pliさんは、3週間問題なくPCを使っていたそうです。しかし、ある日突然、CPUがダメになり、マザーボードのソケットもダメージを受ける事態に。写真を見ると、ピンが黒く焦げていて、どう見ても正常な状態ではありません。まるで、長年使った電気ストーブのヒーター部分のような焼け具合。こんな状態では「さすがのRyzenも無理だったか…」としか言いようがありません。

この「予告なしの焼損」というのが厄介です。例えば、PCがフリーズしたり、異音がしたりといった前兆があれば対策のしようもありますが、何の兆候もなくいきなりアウトでは、ユーザーとしてはどうしようもありません。しかも、修理に出そうにも、CPUだけでなくマザーボードまで被害を受けているため、「どこまで保証が適用されるのか…」という不安もついてきます。

現時点では、ASRock側から公式なコメントは出ていません。しかし、Ryzen 7 9800X3Dの焼損報告が続くようなら、今後さらに情報が出てくる可能性が高いです。これから購入を考えている人は、少し慎重になったほうがいいかもしれませんね。

焼損の原因はホコリ?曲がったピン?それとも…

では、この焼損の原因は一体何なのでしょうか?考えられる要因はいくつかありますが、まず注目されているのが「異物の混入」です。投稿者の写真を見ると、CPUのピンの間に通常とは違う色のゴミのようなものが見えます。もしこの異物が電気を通しやすいものだった場合、ショートしてしまい、焼損につながった可能性があります。

次に考えられるのが、「ピンの曲がり」です。Ryzen 7 9800X3DはAM5ソケットを採用しており、ピンはマザーボード側にあります。もし取り付け時に1本でもピンが曲がっていたら、本来つながるはずのない部分に電流が流れ、ショートすることも考えられます。これが原因だとすれば、気づかずにPCを使っていた投稿者は運が悪かったとしか言いようがありません。

さらに、過去に問題となった「EXPO設定」も疑われています。EXPOとは、メモリのオーバークロックを簡単に行うためのAMDの設定ですが、以前のRyzen 7000シリーズでは、このEXPO設定によってSoC電圧が上がりすぎ、CPUが焼けるトラブルがありました。ただし、AMDはすでにこの問題を修正済みのため、今回の件がEXPO設定によるものかどうかは不明です。

とはいえ、過去にトラブルがあった機能を使っている以上、「もしかして…?」と疑うのも無理はありません。実際、投稿者はEXPOを有効にしていたものの、それ以外のオーバークロック設定はしていなかったとのことです。果たして原因は何なのか?今後の検証結果が気になるところですね。

これからRyzen 7 9800X3Dを買う人は要注意!

Ryzen 7 9800X3Dは高性能なCPUとして期待されていましたが、こうも焼損報告が続くと、「買っても大丈夫なの?」と心配になりますよね。現時点ではAMDやマザーボードメーカーから正式な発表はありませんが、少なくとも「何か問題がある可能性は否定できない」と言えそうです。

では、これから購入を考えている人はどうすればいいのでしょうか?まず、すでに持っている人や、どうしてもこのCPUを使いたい人は、取り付け時に「ソケットに異物がないか」をよく確認しましょう。ピンの間にホコリやゴミが挟まっていないか、慎重にチェックするだけでもリスクを減らせます。

次に、EXPO設定を使う場合は、電圧が適正な範囲に収まっているか確認したほうがいいでしょう。とはいえ、電圧のチェックは初心者にはハードルが高いため、心配な人は「EXPOをオフにして使う」選択肢も考えておくといいかもしれません。

そして、もし可能なら、「少し様子を見る」というのもアリです。今後、AMDやマザーボードメーカーから何らかの対応策が発表されるかもしれませんし、他のユーザーの報告を待ってから判断するのも悪くありません。少なくとも、あと数週間~数ヶ月の間に、さらなる焼損報告が増えるようなら、かなり慎重になるべきでしょう。

Ryzen 7 9800X3Dは魅力的なCPUですが、「いきなり壊れる可能性がある」となると話は別です。せっかくの高性能CPUを活かせないどころか、マザーボードまで巻き添えになってしまうのは痛すぎますよね。購入を検討している人は、リスクも踏まえた上で、慎重に決めることをおすすめします!

Source:tom’sHARDWARE