AMDの新型APU「Medusa Halo」が、ゲーム好きの間で話題になっています。Zen 6アーキテクチャを採用し、統合グラフィックスの性能が20%向上するというから、期待しないわけがありません。

しかし、どうやらグラフィックス部分は最新のRDNA 4ではなく、RDNA 3.5にとどまるようです。これには「なぜ⁉」と肩を落とす人も多いはず。特にレイトレーシング性能やFSR 4の恩恵が得られないのは、ちょっと残念…。

それでも、統合グラフィックスでデスクトップ向けRTX 4070に迫る性能が期待できるとのこと。果たして、この決断は吉と出るのか凶と出るのか?AMDの狙いを探ってみましょう!

Medusa Halo登場!強化された性能に注目

AMDが開発中の「Medusa Halo」は、ゲーマーにとって気になる存在です。新しいZen 6アーキテクチャを採用し、統合グラフィックスのパワーアップが期待されています。特に、GPUの演算ユニット数が40基から48基へと20%増加するのは見逃せません。

統合グラフィックスでここまで強化されるのは異例のことです。デスクトップ向けのGeForce RTX 4070に迫る性能になる可能性があるというのだから驚きます。モバイルAPUがこれほど進化すれば、ゲーミングノートPCやハンドヘルドPCの未来が大きく変わりそうです。

さらに、メモリ帯域幅の向上によって、従来よりも快適にゲームがプレイできるようになる見込みです。これまで統合GPUでは設定を落とさないと遊べなかったタイトルでも、高画質で楽しめる日が来るかもしれません。

ただし、気になるのはグラフィックスのアーキテクチャです。最新のRDNA 4ではなく、RDNA 3.5を採用するという噂があるのです。「せっかくの次世代APUなのに、なぜ?」と疑問に思う人も多いでしょう。この点については、次の項目で掘り下げていきます。

でもRDNA 4じゃないの⁉ なぜRDNA 3.5なのか

Medusa Haloの統合グラフィックスは、RDNA 4ではなくRDNA 3.5ベースになるといわれています。「え、それって最新じゃないの?」と戸惑う人もいるかもしれませんが、実際にはやや中途半端な立ち位置です。

RDNA 4は、レイトレーシング性能の向上やAIを活用したFSR 4が大きな特徴となっています。特にFSR 4は、NVIDIAのDLSSに匹敵する技術で、画質とパフォーマンスのバランスを大きく改善すると期待されています。しかし、RDNA 3.5ではこのFSR 4の恩恵を十分に受けられません。

また、レイトレーシング性能の強化も見送られる可能性が高いです。最新のゲームでは、リアルな光の反射や影の表現が重要になっていますが、RDNA 3.5ではこれらが制限されるかもしれません。「せっかくの強化版なのに、なぜ最新技術を使わないの?」と疑問に思うのも無理はありません。

AMDがこの選択をした理由は明確にはわかりませんが、開発コストや消費電力のバランスを考慮した結果の可能性が高いです。モバイル向けのAPUは、消費電力や発熱を抑えることも重要なポイントです。RDNA 4を採用すると、それらの面で不利になると判断したのかもしれません。

とはいえ、Medusa Haloは統合GPUとしては驚異的な性能を持つことに変わりはありません。FSR 4が使えないのは惜しいですが、RDNA 3.5の最適化によって十分なパフォーマンスを発揮できる可能性もあります。次世代モバイルGPUの未来はどうなるのでしょうか?

未来のモバイルGPUはどうなる?AMDの戦略を考察

AMDのAPUは、ここ数年で大きく進化してきました。特に統合グラフィックスの強化は目覚ましく、Medusa HaloのようにRTX 4070クラスの性能を目指す製品が登場するのは、数年前なら考えられなかったことです。では、今後のモバイルGPU市場はどうなっていくのでしょうか?

まず、AMDがRDNA 4を統合グラフィックスに採用しなかったことは、ある意味で戦略的な判断ともいえます。モバイル向けのAPUは、消費電力や発熱とのバランスが重要です。最新アーキテクチャを搭載すれば性能は向上しますが、バッテリー駆動時間が短くなり、発熱対策が必要になります。これは、ノートPCやポータブルゲーム機にとっては大きな問題です。

一方で、FSR 4のようなAIを活用した技術は今後さらに進化するでしょう。現在はRDNA 4専用の機能とされていますが、AMDがRDNA 3.5でも利用可能にするアップデートを行う可能性は十分にあります。もしそうなれば、Medusa Haloの評価も大きく変わるかもしれません。

また、競合のNVIDIAやIntelも黙ってはいません。NVIDIAの次世代モバイルGPUは、DLSSのさらなる進化や省電力化を進めてくるでしょうし、IntelもArcシリーズでAI技術を強化する可能性があります。AMDが今後もモバイル市場で存在感を示し続けるためには、次世代APUのさらなる進化が欠かせません。

Medusa Haloは、RDNA 3.5採用という点では賛否が分かれるかもしれませんが、統合グラフィックスの未来を大きく変える可能性を秘めた製品です。これからの展開に注目しつつ、次世代APUのさらなる進化を期待しましょう!

Source:TweakTown