実はWindows 11、これまで24時間分の位置情報をローカルに保存していたんです。そんな「位置履歴」機能が、ひっそりと廃止されることになりました。

Microsoftは「バッテリーとメモリの節約のため」と説明。でも、「本当にそれだけ?」と疑問に思う人も多いはず。

そもそも位置履歴ってどんな仕組みだったのか、そして今後のプライバシーはどうなるのか、一緒にチェックしていきましょう!

え、そんなの保存されてたの?「位置履歴」って何だったの?

実はWindows 11には「位置履歴」という機能があって、24時間分の位置情報をローカルに保存していました。つまり、パソコンやタブレットを持ち歩いている間、どこにいたのかを記録していたわけです。でも「え、そんなの知らなかった!」という人、多いんじゃないでしょうか?

この機能は、位置情報を活用するアプリのために用意されていました。たとえば、天気アプリが現在地の気温を教えてくれたり、地図アプリがスムーズにナビをしてくれたりするのも、この位置履歴のおかげだったんです。でも、それが今回、静かに廃止されることになりました。

Microsoftの発表によると、位置履歴のデータは今後、端末に保存されなくなります。設定アプリの「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報」にあった履歴の管理項目も削除されるそうです。つまり、今後は過去の位置情報を振り返ることはできなくなるということですね。

これを聞いて「便利な機能だったのに!」と残念に思う人もいれば、「そもそもそんなの必要?」と気にしなかった人もいるでしょう。たしかに、スマホなら移動履歴が役立つ場面もありますが、パソコンで位置履歴を使う機会は少なかったかもしれません。

とはいえ、ちょっと気になるのは「本当にこれで終わりなの?」ということ。Microsoftは「データを保存しない」と言っていますが、クラウドや他のシステムで管理される可能性はゼロではありません。最近の「メモ帳アプリがデータを収集する」という話題もあるので、慎重にチェックしたほうがいいかもしれませんね。

なぜ今になって廃止?Microsoftの意外な理由とは

「なぜ今さら位置履歴を廃止するの?」と思うかもしれませんが、その理由は意外とシンプルでした。Microsoftは「バッテリーとメモリの節約になるから」と説明しているんです。

たしかに、24時間分の位置情報を記録するには、それなりのシステムリソースが必要になります。特にバッテリー駆動のノートPCやタブレットでは、この小さな機能が積み重なって、バッテリー消費に影響していた可能性はあります。「だったら最初からオフにしておけばよかったのでは…?」というツッコミはさておき、Microsoftとしては省エネ化を進めるための一環だったのでしょう。

また、もうひとつの理由として考えられるのが、プライバシー問題です。最近は、各企業がユーザーデータの取り扱いについて厳しくチェックされています。特に欧州のGDPR(一般データ保護規則)など、プライバシー保護の法律が強化されている中で、「不要なデータは持たないほうがいい」と判断した可能性もあります。

実際、位置情報の取り扱いはデリケートな問題です。「どこにいたか」を記録している以上、万が一データが流出すると大きなトラブルにつながります。過去には、位置情報を悪用された事件もありましたし、Microsoftとしても「余計な火種は作りたくない」と考えたのかもしれません。

とはいえ、廃止されるのはあくまで「位置履歴」の機能だけです。今後もアプリが現在地を取得することは可能ですし、設定で位置情報サービスをオンにすれば、必要な場面での利用はできます。「もうWindows 11では位置情報が使えないの?」と心配する必要はなさそうですね。

でも…本当に安心していいの?気になるポイントをチェック

「位置履歴がなくなるなら、もう安心!」…と言いたいところですが、ちょっと待ってください。本当にそうでしょうか?

たしかに、Microsoftは「データを保存しない」と言っています。でも「じゃあ、どこにも記録されないの?」と聞かれると、そこはまだハッキリしていません。記事の中でも指摘されていましたが、「ローカルに保存しなくなる」とは言っても、クラウドなど別の場所で保存される可能性はゼロではないのです。

最近、Microsoftの「メモ帳」アプリがアカウントにログインするとデータを収集することが発覚しました。これを考えると、「位置履歴も実は別の形で記録されるのでは?」と疑うのも無理はありません。結局のところ、「データをどこで管理しているのか」は、私たちユーザーには見えない部分が多いんですよね。

また、「位置履歴」はなくなっても、「位置情報サービス」自体はWindows 11に残っています。つまり、アプリごとに位置情報を利用する設定はそのままなので、知らない間にデータが送信されている可能性もあります。気になる人は、設定の「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報」で、どのアプリがアクセスできるのかを確認しておくのがオススメです。

さらに、最近はWindowsの新機能として「AIアシスタント」や「クラウド連携」が強化されています。便利ではありますが、「どのデータがどこに送られているのか」は、しっかり把握しておいたほうがいいでしょう。

結論として、「位置履歴がなくなる=完全に安心」とは言い切れません。とはいえ、Microsoftがデータ管理をシンプルにする方向に動いているのは事実なので、これを機に一度、設定を見直してみるのもアリですね。

Source:windowsreport