ASUSから登場した最新のミニPC「NUC 14 Pro AI」。小さなボディに最新のIntel Core Ultraプロセッサを搭載し、AI機能もバッチリ搭載!なんだかすごそうな雰囲気ですが、実際のところどれくらいの実力なのか?

デザインは「どこかで見たことある…?」と思ったら、Mac miniっぽい雰囲気。でも、中身は全然別物で、ポートの充実ぶりや指紋認証機能など、実用性を重視した設計になっています。

気になるのはやっぱり性能と価格。「AI」と名のつくこのマシン、どこまで使えるのか、そしてコスパはいいのか?詳しく見ていきましょう!

デザインと使い勝手 – 見た目より実用性重視?

ASUSの「NUC 14 Pro AI」を見た瞬間、「あれ、Mac mini?」と思った人も多いはず。でも、よく見ると似ているのはサイズ感だけで、細かい部分は全然違います。ASUSはこのミニPCを、見た目のオシャレさよりも実用性に全振りしているんです。

まず、本体はプラスチックがメインで、底面に金属のカバーがついています。これ、取り外せるようになっていて、SSDを自分で追加できるんです。最近のPCはメモリもストレージもガチガチに固定されていることが多いので、これは地味にうれしいポイント。ただし、メモリはCPUと一体化しているので交換はできません。

側面には通気口がたくさんあって、内部の熱をしっかり逃がす設計になっています。冷却は大事ですが、正直、見た目のスマートさはあまり考慮されていない感じです。さらに、前面にはUSBポートやヘッドフォンジャック、電源ボタン、そして「Copilotキー」なるものが配置されています。このCopilotキー、Windowsの設定で好きな機能を割り当てられるので、地味に便利です。

背面にはさらにUSBポートがあり、HDMIやThunderbolt 4、2.5Gの有線LANポートまで完備。小さいのに拡張性はバッチリです。ただ、前面ポートの配置が微妙で、大きめのUSB機器を挿すと隣のポートが使えなくなることも。細かい気配りがもう少し欲しかったですね。

指紋認証センサーも搭載されていて、Windows Helloに対応。パスワードを打ち込まずにログインできるので、地味に快適です。一方で、Mac miniと違い、電源アダプターが外付けになっているのはマイナスポイント。本体がコンパクトでも、アダプターが場所を取るのはちょっと残念です。

全体的に、デザインよりも「便利さ」を重視したミニPCという印象。美しさよりも使いやすさを求めるなら、なかなかアリな選択肢かもしれません。

性能とスペック – これ一台でどこまでできる?

「NUC 14 Pro AI」は、Intelの最新「Core Ultra」シリーズを搭載したミニPC。その中でも最上位の「Core Ultra 9 288V」モデルを試したので、どれくらいのパワーがあるのか見ていきましょう。

まず、CPUの構成は「4つの高性能コア」と「4つの省電力コア」。残念ながらハイパースレッディング(仮想コアの増加)はなし。これがどう影響するかというと、単純な作業ならサクサクですが、複雑な処理ではちょっと物足りなさを感じる場面も。

GPUには「Intel Arc グラフィックス」を搭載。ゲーム性能も試してみましたが、タイトルによっては意外と動きます。「サイバーパンク2077」は低設定でフルHD49fps、720pなら75fpsをマーク。軽めのゲームならそこそこ遊べるレベルです。ただし、「God of War Ragnarök」ではグラフィックの乱れが発生したので、対応状況には注意が必要。

メモリは最大32GBのLPDDR5Xを搭載。超高速ですが、増設は不可。ストレージは自分でM.2 SSDを追加できる仕様になっているので、好きな容量を選べるのはメリットです。

電力設定によって動作のパフォーマンスが変わるのも特徴で、「静音モード」では最大23Wに制限される代わりにファンの音がほぼ無音に。「標準モード」では34W、「パフォーマンスモード」では最大37Wでフルパワーが出せます。ただし、Mac miniのM4チップと比べると、どのモードでも性能差は歴然。ベンチマークではM4が36〜64%も速い結果に。Appleの最適化の恐ろしさを改めて実感しました。

総合的に見て、軽い作業やビジネス用途には十分な性能ですが、「超高性能」とまではいかない感じ。とはいえ、Windows環境でAI処理やゲームを試したいなら、なかなか面白い選択肢です。

気になる価格とコスパ – 買う価値はあるのか?

性能がそこそこ良くても、やっぱり気になるのは価格。「NUC 14 Pro AI」は1100ドル(約16万円)前後のようですが、正確な公式価格は不明。しかも、これはSSDなしの「ベアボーンモデル」の値段。自分でSSDを追加しないといけないので、実質の総額はもう少し高くなります。

ここで問題になるのが、「コスパ」の部分。比較対象として、同じくらいの価格帯にMac mini(M4)があるんですよね。しかもMac miniはSSDもメモリも込みで、この「NUC 14 Pro AI」より処理速度が圧倒的に速い。そうなると、価格的にはちょっと厳しい戦いになります。

ただし、Windowsが使いたい、ポートが多いPCが欲しい、という場合は選ぶ理由があるかも。特にビジネスや開発用途で「小型だけど拡張性が欲しい!」という人には向いています。

問題は、現時点での市場価格が高めなこと。ASUSが今後もう少し手頃な価格で出してくれれば、選択肢としてアリになってくるかもしれません。逆に「お得感があるか?」と言われると、現時点ではちょっと厳しいかなというのが正直なところです。

このPCがベストバイかどうかは、あなたの用途次第。「最新のミニPCを試したい!」というガジェット好きなら楽しめるかもしれませんが、「高コスパPCが欲しい!」という人には、ちょっと微妙なラインかも?

Source:GSMArena