またしても悪夢が繰り返されました。Nvidiaの最新GPU「RTX 5090」と「RTX 5080」がヨーロッパで販売開始されたものの、ゲーマーたちは手にすることすらできず。

その理由は、なんとスカルパーボット。発売前にリンクを“予知”し、販売開始と同時に即完売させたのです。まさに「人間お断り」状態。

販売元のProshopも手をこまねいていたらしく、対応は「Nvidiaに聞いて」レベル。これにはゲーマーたちも激怒。果たして正規ユーザーの手に渡る日は来るのでしょうか?

発売即完売!でも買えたのは“人間”じゃなかった…

Nvidiaの最新GPU「RTX 5090」と「RTX 5080」がヨーロッパで発売されたものの、ゲーマーたちはまったく手に入れられませんでした。その理由はシンプル、「人間よりも速い買い手」がいたからです。

発売開始と同時に在庫は一瞬で消え去り、店頭どころかオンラインショップでも「売り切れ」の文字が。後に判明したのは、スカルパーボットという自動購入プログラムがすべての在庫をかっさらっていったという事実でした。人間がポチる前に、ボットが即購入。まるで「未来を予知していた」かのような速さです。

特に被害を受けたのはヨーロッパの大手販売店Proshop。ここではNvidiaのFounders Edition(FE)モデルが独占販売されていましたが、一般ユーザーの注文はほぼゼロ。すべてのカードが、スカルパー(転売ヤー)の手に渡ったと見られています。

これにより、発売当日にもかかわらず、すでにオークションサイトやフリマアプリには倍以上の価格で出品される事態に。定価での購入を夢見ていたゲーマーたちは、ただただ悔しがるしかありませんでした。

「またかよ…」と嘆く人も多いですが、近年のGPU市場ではスカルパーによる買い占めはもはや“恒例行事”。とはいえ、何の対策もなくこれが続くのはさすがに納得いかないですよね。

スカルパーボットの手口とは?まるで“未来予知”レベル

そもそもスカルパーボットとは何なのか?それは、人間が注文ボタンを押すよりもはるかに速く、販売サイトから商品を購入できるプログラムのことです。

今回使われたのは「Nvidia KSB Test v1.1」と呼ばれるボット。ドイツのDiscordサーバーで広まったもので、販売ページの隠されたリンクを事前に発見し、一般公開される前に購入を完了していました。人間が「カートに入れる」ボタンをクリックする前に、ボットはすでに支払いまで終えているという驚異的なスピードです。

さらに、販売店側も一応の対策はしていました。例えば「1住所につき1台まで」というルール。しかし、これもスカルパーたちは簡単に突破。複数の住所や異なるクレジットカードを駆使し、何台ものGPUを確保していったのです。

ボット利用者たちは大喜び。SNSでは「無事ゲット!」と喜びの声が上がる一方、本来のターゲットだったゲーマーたちは「買えた人いるの?」と呆れ気味。まさに“未来予知レベル”の買い占め劇でした。

この手のボットは、以前からスニーカーや限定フィギュアの転売市場でも使われていますが、ゲーミングPC業界でも猛威を振るい続けています。新作GPUが出るたびにこうした事件が起きるのに、なぜ未だに有効な対策が講じられないのでしょうか?

Nvidiaや販売店の対応は?ゲーマーたちの叫び

この騒動を受けて、販売元のProshopはどう対応したのか?結論から言うと「うちじゃなくてNvidiaに聞いてください」とのこと。

PCGH(ドイツのPC関連メディア)がProshopに「ボットによる買い占めをどう考えているのか?」と問い合わせましたが、返ってきたのは「Nvidiaに連絡してください」という冷たい対応。まるで「うちは関係ないよ」と言わんばかりです。

しかし、PCGHはスカルパーボットを使ったユーザーのリストや購入履歴を入手済み。そのデータをProshopに提供する意思があると伝えましたが、今のところProshopからの反応はなし。せめて転売対策のためにリストを活用すればいいものの、今のところ販売店側が動く気配はありません。

一方、Nvidiaはこの件について沈黙を守っています。これまでの傾向を見るに、「在庫を増やします」といった一般的なコメントが出るかもしれませんが、根本的な解決にはならなそうです。

ゲーマーたちの不満は爆発寸前。「一般ユーザーのための製品なのに、なぜ買えないのか?」という声がSNSで飛び交っています。特に転売価格を見て怒りを募らせる人が多く、「なんで定価で買える仕組みを作れないの?」と疑問を投げかけています。

今回の件で、Nvidiaや販売店が本気で転売対策に乗り出すのか、それとも「またいつものこと」で終わってしまうのか。ゲーマーたちはまだ諦めていませんが、次こそは本当に彼らの手に渡るよう願うばかりです。

Source:NOTEBOOKCHECK