TSMCがアメリカに建設予定の3nm工場、その稼働時期が2028年から2027年へと前倒しされる見込みです。背景には、アメリカ政府が台湾製の半導体に高額な関税をかける可能性があることが関係しています。
もし関税が適用されれば、GPUの価格は爆上がりするかもしれません。でも、TSMCの新工場が予定通り動けば、そのリスクを回避できるかも?
とはいえ、2027年の稼働が本当に次世代GPUに間に合うのか…そこが最大のポイントです。さて、どうなる?
なぜTSMCは3nm工場の計画を前倒ししたのか?

TSMCがアメリカのアリゾナ州に建設中の3nm工場。その稼働時期が当初の2028年から2027年に前倒しされることになりました。なんでそんなに急ぐの?その理由はズバリ、アメリカ政府が検討している「関税問題」です。
もし台湾製の半導体に高い関税がかかると、GPUをはじめとするチップの価格が大幅に上がる可能性があります。これを避けるために、TSMCはアメリカ国内での生産を急いでいるというわけです。2024年の大統領選次第では、最大100%もの関税がかかるかもしれないなんて話も出ているので、そりゃあ急がないわけにはいきませんよね。
ただし、新しい工場を建設して半導体を作るのは簡単なことではありません。工場を作るだけじゃなく、最新鋭の設備を導入し、高品質なチップを安定して生産できるようになるまでには、時間とノウハウが必要です。特に3nmのような最先端のチップは生産難易度が高く、新工場での量産がスムーズに進むかどうかは未知数です。
それでもTSMCは前倒しを決断しました。なぜなら、GPUメーカーのNVIDIAやAMDにとって、関税が適用されると利益が大きく圧迫されるため、アメリカ国内での生産が可能になればビジネス的にも大きなメリットがあるからです。
とはいえ、「前倒ししたからOK!」という単純な話ではありません。生産が間に合わなかった場合、GPU価格の高騰は避けられないかもしれません。ゲーマーやクリエイターにとっては、TSMCの頑張りが未来のPCライフを左右することになりそうです。
2027年までに間に合わなかったらどうなる?GPUへの影響とは
TSMCが2027年に3nm工場を稼働させる計画ですが、もし間に合わなかった場合、GPU市場にはどんな影響があるのでしょうか?ここが一番気になるところですよね。
まず、関税が適用されてしまった場合、台湾で生産されたGPUの価格が大幅に上昇する可能性があります。例えば、今の最新GPUが10万円だとしたら、関税によって倍近い価格になることも考えられます。そうなると、「次世代GPU買うぞ!」と思っていた人たちが「いや、高すぎて無理!」と悲鳴を上げることになりそうです。
さらに、GPUメーカーが急いで他の選択肢を探し始めるかもしれません。TSMCの代わりにサムスンやインテルの工場を利用するという手もありますが、そう簡単にはいきません。半導体の製造プロセスはメーカーごとに違うため、設計から作り直しになる可能性があり、コストも時間もかかるんです。
一方で、TSMCが「無理に2027年に間に合わせようとして品質に問題が出る」というリスクもあります。新しい工場で最初から高品質なチップを安定して作るのは難しく、歩留まり(良品率)が低ければ、十分な量のGPUを供給できなくなる可能性もあります。そうなると、またまた価格が上がる悪循環が…。
つまり、TSMCの計画が遅れた場合、どちらに転んでも「GPUの価格が上がる」「新製品の発売が遅れる」といった困った事態になるかもしれません。ゲーマーやクリエイターにとっては、GPUを買うタイミングがますます難しくなりそうですね。
関税問題と次世代GPUの未来
関税問題が次世代GPUの未来に与える影響は、想像以上に大きいかもしれません。もしアメリカ政府が本当に台湾製の半導体に100%の関税を課した場合、GPUの価格は間違いなく跳ね上がるでしょう。
NVIDIAやAMDがTSMC以外の工場を使うという選択肢も考えられますが、これは現実的には難しいです。TSMCの技術力は業界トップクラスであり、サムスンやインテルに切り替えると、同じ品質のGPUを作るのに時間とコストがかかる可能性が高いからです。
また、TSMCがアメリカ国内での生産を増やせば関税を回避できるものの、それにも時間がかかります。2027年に3nm工場が間に合ったとしても、次世代GPUに最適な状態で供給できるかどうかはまだ分かりません。特に、RTX 60シリーズやRDNA 5世代のGPUがちょうど登場する時期に、十分な供給量を確保できなければ、市場は混乱する可能性があります。
一方で、メーカー側が「GPUの発売時期を遅らせる」という選択をする可能性もあります。もし関税の影響で2025年~2026年の間にGPUの価格が高騰したら、TSMCのアメリカ工場が安定稼働するまで新製品の投入を控える、という戦略もありえるんです。
結局のところ、次世代GPUの価格や発売時期は、TSMCの工場の進捗とアメリカ政府の動向次第。ゲーマーとしては、「お財布に優しい未来」が来ることを祈るしかありませんね。
Source:PCGAMER