「RTX 50シリーズ、ついに発売!」とワクワクしていた人、ちょっと待ってください。どうやら定価(MSRP)で買えると思ったら、それは幻想だったかもしれません。
MSIが一時的にRTX 50シリーズの価格を引き上げ、定価販売をほぼ消滅させる事態に。結局、すぐに元に戻したものの、この価格の揺れ動きにゲーマーたちは戦々恐々です。
「またグラボ高騰の波が来るのか?」そんな不安を抱えつつ、今回の価格変動の背景を探ってみました。
MSI、RTX 50シリーズの定価販売を一時停止!?

MSIがRTX 50シリーズのグラフィックボードを定価(MSRP)で販売するのをやめた?そんなウワサが飛び交いましたが、実際には“やめた”というより“こっそり値上げした”のが正しいようです。
ある時点でMSIのRTX 5070 Tiの最安モデル「Shadow 3X」は819ドル、「Shadow 3X OC」は839ドルに値上げされ、本来の749ドルという定価はどこへやら。しかし数日後には価格が元に戻っていました。この動きが発覚したのは、海外メディア「Hardware & Co」の調査によるもの。スクリーンショットまで公開されており、「あれ?値段変わってる!」と気づいた人もいたようです。
さらに、上位モデルのRTX 5080やRTX 5090に関しては、MSIは現在も高めの価格設定を維持中。本来999ドルのRTX 5080は1,139ドル、1,999ドルのRTX 5090は2,399ドルからとなっており、「え、これが定価?」と二度見したくなる価格です。
この価格変動を受けて、一部のゲーマーたちは「また2021年の暗号通貨バブル時のように価格が爆上がりするのでは?」と戦々恐々。しかし、他のメーカーの中にはまだ定価販売を続けているところもあり、今のところ全面的な値上げには至っていません。ただし、3月5日発売予定のRTX 5070も「本当に定価で買えるのか?」という疑問の声が上がっています。
いずれにせよ、グラボの価格が一瞬で変動するということは、今後も油断ならない状況が続きそうです。「安いうちに買うべき?」それとも「もうちょっと待ったほうがいい?」と悩む時期がまたやってきたのかもしれません。
なぜこんなことに?価格高騰の裏側とは
「なんでこんなに値段がブレブレなの?」と思った人も多いはず。実は、今回の価格変動にはいくつかの理由が絡んでいるようです。
まず、グラボメーカーは基本的にNVIDIAからGPUを仕入れて、それを自社のクーラーや基盤と組み合わせて製品化しています。しかし、NVIDIAは今回のRTX 50シリーズですべてのモデルに「GDDR7」という高性能な新メモリを採用。これが「高くて利益が少ない」と言われており、MSIのようなメーカーにとっては頭の痛い問題になっています。そのため、「ちょっと値上げしてでも利益を確保したい…!」という動きが出てきたのかもしれません。
さらに、ここ最近の半導体市場の混乱も影響しています。台湾で発生した地震がサプライチェーンに影響を与え、一部の工場では生産に遅れが出ているとのこと。加えて、RTX 50シリーズの発売時に一部の店舗では「入荷数が2桁どころか1桁だった」という情報もあり、「そもそも物が少ないのでは?」という疑問も出ています。
そして、もうひとつ忘れてはいけないのが「需要と供給のバランス」。高性能なグラボはどんなに高くても売れてしまうことが多く、特に新製品は発売直後に即完売することも珍しくありません。これを見越して、メーカーや販売店が「どうせ売れるし、ちょっと高くしとこう」と考えるのも無理はないかもしれません。
結果として、MSIだけでなく他のメーカーも一部のモデルで価格を調整しているようですが、「すべてが値上がり」というわけではないのが救いです。「じゃあ、どこで買うのが正解?」という疑問が出てきますが、それは次の見出しでチェックしていきましょう!
結局どうなる?今後の展開をチェック!
「結局、グラボの価格ってどうなるの?」と気になる人も多いでしょう。今後の展開を予測するために、いくつかのポイントをチェックしてみます。
まず、今回の価格変動は「一時的なものだった可能性が高い」です。MSIは結局、RTX 5070 Tiの値段をすぐに元に戻しましたし、他のメーカーはまだ定価販売を続けているところもあります。このことから、「今すぐ大幅な値上げが起こる」というわけではなさそうです。
しかし、上位モデルのRTX 5080や5090は今後も高止まりする可能性があります。NVIDIAの公式価格と実売価格に大きな差が生じていることから、「値下がりを待つべきか?」と迷う人もいるかもしれません。ただ、過去の例を見ると、新モデルが出た直後は価格が高騰し、その後少しずつ落ち着いていくケースが多いです。「どうしても今すぐ欲しい!」という人以外は、少し待つのもアリかもしれません。
また、AMDの新GPU「Radeon RX 9070」シリーズも控えており、これが市場に登場することで価格競争が起こる可能性もあります。もしAMDがNVIDIAのRTX 50シリーズに匹敵する性能を持ちつつ、価格を抑えた製品を出せば、「お、こっちのほうがコスパ良くない?」と考える人が増え、NVIDIA陣営の価格も落ち着いてくるかもしれません。
最後に、在庫状況にも注目です。RTX 50シリーズは発売直後から品薄状態が続いており、今後の供給次第ではさらなる価格変動があり得ます。特に次の数週間は「在庫復活→即売り切れ→プレミア価格」なんてことも起こり得るので、購入を考えている人は公式サイトや販売店をこまめにチェックするのがオススメです。
要するに、「すぐ買うべきか、ちょっと待つべきか」は状況次第。ただ、焦って高値で買うよりも、じっくりと市場の動きを見守るのが賢い選択かもしれません。
Source:TECHSPOT